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勝浦の椎茸のこと その2

勝浦の高旨農園さんを再訪しました。

高旨農園さんでは、夏場を乗り切り秋口に実を付ける夏菌の椎茸と、
寒さに強い冬菌の椎茸が栽培されています。
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今収穫できるのは冬菌で栽培された椎茸で、夏菌で栽培される椎茸は原木の準備の段階です。
通常原木は2シーズン栽培に使われるそうで、2年目を向かえる原木は、
やぐらに組み休ませて、年数を重ね役目を終えた原木は薪としてと再利用されます。
毎年役目を終えた原木を補充する事になるのですが、
その準備は山に入り、椎茸栽培に向く木を伐採するところから始まります。
今回訪問したのは1月中旬、既に6、000本の原木が石垣のように積まれていました。
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前回は15、000本以上あったそうですが、それでもかなりの迫力です!
椎茸の成育、ほだ場に組む作業を考慮すると、真っ直ぐ伸びたくぬぎがベストなのですが、
温暖な気候の勝浦では、成長が良くうねってしまい、
最適な原木を入手する事はとても困難な事なのだそうです。
さらに椎茸の菌糸を活発に繁殖させるには、年輪の外側にあたる
色の薄い辺材と呼ばれる部位と、樹皮面積が多い物が向いているそうなので、
椎茸栽培に最適な原木を揃える作業は、重要で重労働な作業であることが窺い知れます。
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伐採された原木は、2ケ月掛けて自然乾燥をさせて吸水させるそうです。
椎茸菌の成長には水分と酸素が必要になるので、
この一連の作業によって原木に最適な水分を保持させるそうです。
原木の水分が多過ぎれば、その分含まれる空気は少なくなってしまうので、
健全な椎茸菌を育てる為には、自然を相手にした微妙なコントロールが必要なようです。
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その後、春先に菌糸を植え付けた原木を管理する場所も重要で、
適度な温度と風通しの良さが必要になります。
そこで高旨農園さんではキウイの棚を利用します。
キウイの葉が茂る春から初夏は日差しを避けてくれ、
棚の下に組まれた原木は風通しも確保出来る分けです。
そして夏を経て、原木の中で菌糸が繁殖しきれ無くなると、
樹皮に小さな椎茸が出はじめ、秋口に美味しく成長してくれます。

高旨農園さんは、冬菌の原木、夏菌の原木を使い分け椎茸を生産しています。
次の栽培まで休ませている原木には、原基といって、
収穫時に椎茸に成りきれなかった菌糸が残っている事があります。
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結果的に、そのまま2サイクル目を向かえる原基は
時としてこんなに大きなジャンボ椎茸になる事があるのです!
このジャンボ椎茸にめぐり合えたらラッキーです。
バター醤油で焼くと、お肉のような食べ応えで旨味たっぷりの椎茸となるのです。
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高旨農園   勝浦市市野川705 


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by chibanokoto | 2012-01-23 07:00 | 最近体験した●●●のこと  

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