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東金のサトウキビと黒糖のこと

料理の基本「さ、し、す、せ、そ」の「さ」=砂糖の製造方法を
恥ずかしながら良く知らない…。原料のサトウキビも見た事が無い・・・。
沖縄にでも行かなくては見ることないだろうなぁ~と思っていたら、
九十九里海岸のほぼ中央、東金市にありました。サトウキビ畑。
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南は奄美から東金に移り、2005年に「南国物産」を立ち上げ、栽培を始めた平原さんの畑です。
当時は「南国のサトウキビを関東で作るなんて」と、周囲は冷ややかだったそうですが、
僅か5年で安定的な栽培に成功し、今では黒糖も作っています。
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千葉県東金市の気候下では、毎年10月から11月初旬に掛けて収穫が行われます。
サトウキビの根から地上に出たひと節目までを苗用に残し、
4節目辺りまでを黒糖の原材料に使います。
そこから上の部分は、畑の肥料や畜産の飼料に使われたりするそうです。
畑の広さは1町歩(約3000坪、約1ha)、取れる原材料の茎部は約6,000㎏。
そこから取れるサトウキビのジュースは3,000㎏。更に黒糖にすると1/10程にしかならないそうです。

こちらは圧搾機。サトウキビからジュースを搾り出します。
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「バカス」と呼ばれる搾った後の粕は、燃料やパルプ紙などの再利用が注目されていますね。
搾ったジュースは丁寧に灰汁をとり除き大窯で煮詰めます。
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とろみが出た状態で取り出せば黒蜜です。
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釜を火から降ろして攪拌しながら飴状にします。
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この飴状の物を型に入れて冷ましたものが黒糖です。
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ちなみにこちらは鍋に残った飴を削ぎ落したもの。実はこれが美味しいとか…。
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一方収穫が終わった畑は、ユンボで土をうねり春まで休ませ、
残した株を地中に埋めて春に芽が出るまで温存します。

3~4月、芽が出た株を苗として植え、手入れをしてやると夏を超え秋になり、
また3m以上の立派なサトウキビに育つそうです。

東金の地で孤軍奮闘する平原さんの夢は、
自分が愛して止まない黒糖、千葉の黒糖を多くの人に触れてもらう事。
平原さんと出会え、黒糖の事を少しだけ理解し、砂糖についてもっと知りたくなった秋なのでした。

by chibanokoto | 2012-09-26 04:49 | 最近体験した●●●のこと  

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