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勝浦の米のこと

勝浦市の高旨農園さんでは椎茸栽培の他、50アールの水田で水稲栽培も行っています。

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お米の作付面積の全国平均は95アールですので、椎茸栽培同様目の行き届く範囲、
高旨さんのイメージするお米ができる範囲での栽培のようです。
(100アールは10反、1ヘクタール。3000坪になります。
50アールでおおよそ40俵(1俵約60kg)のお米が収穫出来るそうです。)

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高旨さんでは、4月の種まき作業から米作りが始まります。
種もみを水につけ、沈んだ中身の詰まったよい種もみを選び、
発芽しやすいように水に浸し、土と種もみを合わせ専用の箱に入れ、
健全に育つようハウスで温度管理や散水を行い、小さな苗に育てます。

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その頃田んぼでは、春の田おこしと代かきが行われます。
土がやわらかくなるように土を耕し、田んぼに水を入れる作業です。
代かきは、田んぼの水持ちを良くさせ、水深のむらを無くし、
同じ深さに田植が出来るように田んぼをならして行きます。
高旨農園では近くを流れる清流の水を引き込こんでいます。
川には今でもシジミやホトケドジョウ、カジカ蛙、蛍などが沢山生息していて、
水田にもホウネンエビが泳いでいる程綺麗な水です。

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そして5月を迎えた頃田植え作業が行われ、元気な稲に育てる為に、
夏場にかけて除草作業が行われます。田んぼとあぜの草取りは重要な作業です。
害虫が発生しないように、こまめに除草作業を行うそうです。

茎の増える時期が終わると田んぼの水を抜き土を乾かす中ぼし作業が行われます。
稲の状態をみて発育をコントロールする作業で、
酸素を土の中に取り入れ、根をしっかり張らせるために行います。
田んぼの土をかたくして秋の稲刈り作業を行う準備でもあるそうです。

8月中旬、稲が穂を出し花が咲き、受粉が行われ実になり稲穂が育ちます。
葉の状態などを確かめながら田んぼをケアーして行くそうです。

9月になると稲刈り・脱穀・乾燥・もみすりの時期になります。
稲刈りは、刈り取りと同時に脱穀までしてくれるコンバインを使う農家がほとんどです。
脱穀された後、乾燥させて籾殻をとり玄米にし貯蔵されます。
この一連の作業は、今では近代設備の整った施設でまとめて行われています。

高旨農園ではこの作業を昔ながらの方法(ほぼ人力)で行っています。
刈り取りが行われた稲は、干し台に並べられ天日で干されます。
高旨さんの田んぼでは、重機も使わず「環境に優しく人には厳しい(笑)」作業が続きます。
田んぼの肥料にも大豆を使っていて、なるべく環境に負担を掛けないようにしているそうです。

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穂だ掛けと言う作業です。ご主人の話では、
刈った後の稲にも栄養が残っていて、天日でジックリ干す事により
栄養が米にまわるとのお話でした。便利さも大切ですが、
昔ながらの方法には意味があるのだなと感心させられます。
今では穂だ掛けをしている田んぼを殆ど見かけません。

天日干しされた稲は、9月中旬に脱穀され玄米になり出荷されていきます。
高旨さんによって手を掛けて育てられたお米は、
評価が高く、毎年のようにコンクールで入賞しています。
田植えが始まった段階から売れていくと言われる程で、
ご本人でさえ、出来たての米を味見する程度しかまわらないそうです。

お米のお話をうかがっていると、
11月が最盛期の椎茸のお話を、もっと詳しく聞きたくなりました!




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by chibanokoto | 2011-07-11 04:42 | 最近体験した●●●のこと  

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