富津の清酒「聖泉」のこと

富津市竹岡の和蔵酒造さんに行ってきました。
今回は家族でお邪魔し、社長自ら最盛期の酒蔵で
日本酒のイロハを小学生にも分かり易く教えて頂きました。
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和蔵酒造さんは創業明治7年(1874年)小高い山を背に、
蔵の脇を流れる湊川、 目の前には富士山を望む内房の浜が僅か50mと、
三方を自然に囲まれ海風漂う立地に位置し、清酒「聖泉」を醸造されています。
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仕込み水は地下120m、上総掘りの深井戸から汲み上げられる弱硬水。
酒米は地元契約農家から届く「総の舞」「ふさこがね」を主に、
全量自家精米で米の出来を見極め、温度と時間を調整し米を磨いていきます。
数日前に3昼夜掛けて精米した大吟醸の原料米を手に、
飯米との違い、お米を磨く意味などを細かく教えて頂きました。
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次なる作業は洗米と浸漬(お米に最適な水分を含ませる秒単位で行われる重要な作業)
水は銘柄「聖泉」の由来ともなる冷たい湧き水を蔵まで引き込み使用します。
極寒の季節には堪える作業です。
そして大きな蒸篭、甑(こしき)で麹米、掛米になる為に米が蒸しあげられます。
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特別に麹室(こうじむろ)へ。蒸し米に麹菌を振り麹を造ります。
「一に麹、二に酒母、三に醪(もろみ)」と言われるほど麹は日本酒の出来を左右します。
お米のデンプンを麹の力で糖化し、アルコールにする準備が行われます。
画像は二日目の麹。少しふんわりしてきています。
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麹は酒母室に運ばれ、純粋酵母を得る為に仕込み水と乳酸菌と合わせられ
お酒の元が造られます。
タイミング良く初日の酒母から1週間後の酒母まで順を追って拝見する事が出来ました。
お米が溶け出している様が良く分ります。
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こちらは醪(もろみ)造り、培養された酒母に蒸し米、水、麹を
数回に分けて投下し増やしていきます。とろとろの甘酒のようになった醪のタンクに
顔を近づけると、プチプチと音を立てた炭酸ガスの香気がわっと上がってきます。
日本酒になる直前です。
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醪は毎日タンクごとに理科室のような部屋で成分分析が行われ、
健全に酵母の力で醗酵が行われると絞り、酒粕と液体に分けられ日本酒が完成します。
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息子には難しい工程もあったようですが、
醗酵の不思議と日本酒が生き物である事に興味を示してくれました。
日本酒の伝統と、おとうが日本酒を飲んでニンマリする理由もわかってもらえたかな?

和蔵酒造さんのモットーは、基本に忠実で手間を惜しまない誠実な酒造り
米の旨みを生かし、料理の邪魔をしない包容力のある日本酒です。
出来立ての絞りたても美味しいですが、
程よく熟成された晩夏の味にこの蔵の真骨頂を感じます。
その頃地元の港には、沖合を回遊せず沿岸の瀬に居着き、
運動せずに豊富なエサを食べて脂の乗る黄色いアジ「黄金アジ」が水揚げされます。
この黄金アジのなめろうを、富津の地酒「聖泉」と合わせるのがたまらなく好きなのです。

今回購入した聖泉は純米生原酒無濾過
麹の旨味がドッシリひろがり、フレッシュな酸が余韻を整える冬季限定酒でした。
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・原料米   麹米、総の米 / 掛米、ふさこがね
・精米歩合  62%
・18~19度
・720ml  ¥1365

・和蔵酒造竹岡蔵   富津市竹岡1
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by chibanokoto | 2012-02-02 05:04 | 最近体験した●●●のこと  

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