ちばのチーズのこと

千葉県内の酪農家が集まる、ちばフェルミエチーズの会に参加してきました。
酪農、乳製品と言えば北海道のイメージですが、実は千葉県が酪農発祥地とされています。
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戦国時代、安房の国(嶺岡)に里見氏が広大な牧場を作り軍馬を育てていました。
江戸幕府が開府し、嶺岡の牧場が幕府の管理下となると大規模に馬や牛が放牧され、
8代将軍吉宗の頃には、外国から積極的に馬を輸入する程馬の改良が取り組まれています。
1728年、馬と一緒にインドから白牛を3頭輸入し、順調に繁殖させた白牛から搾った牛乳を
煮立て固形にし、乾燥させ「白牛酪」と呼ばれる乳製品が作られています。
これが将軍へ献上されていた事が、安房嶺岡(現、南房総市大井近辺)が
「日本酪農発祥の地」といわれる所以のようです。今も南房総市大井には
「酪農の里」や「嶺岡乳牛研究所」があり、千葉の酪農の歴史を伺う事ができます。
明治、大正、昭和と繁栄を続けた千葉の酪農は、戦後の影響や都市化、後継者問題等から
落ち込む物の、現在も国内上位のシェアを占め、多くの酪農家が乳製品を生産しています。

この会に参加している生産者さん達は、2010年に集まり研究会を開き、
これからの酪農業の可能性を見出そうと試行錯誤を重ねてきた生産者さん達です。
酪農、乳牛を知り尽くすプロ達が作るチーズは、どれも原乳の美味しさを感じつつ、
それぞれ個性豊かなチーズを製造していました。
例えば、以前訪問してお世話になったいすみ市松丸の「よじゅえもんのチーズ工房」では、
相変わらず牛乳の味わいを強く押し出すソフトなチーズが味わえますし、
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いすみ市須賀谷の「TAKAHIDE牧場チーズ工房」では、広大な牧場で循環型酪農を手掛け、
健康的な牛から搾ったミルクで、フランス仕込みの職人により「いすみの白い月」が
作られています。外側からほんわりと熟成する柔らかいチーズは癖になります。
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同じくいすみ市山田では飼料自給、里山放牧酪農を実践し本場スイスでチーズ作りを学んだ
「チーズ工房IKAGAWA」が、塩水ウォッシュのチーズを岩室で熟成させています。
同じくいすみ市新田「FERMIER FROMAGES KOMAGATA」は、
元乳製品の工場の製造ラインを設計する技術屋さん。
酒浸しのジヤポニカシリーズは芳醇な香りと濃厚な味わいを楽しむことが出来ました。

鴨川市江見東真門の「めえしばミルク工房」では、モッツァレラの他ハードタイプも製造。
試食した完熟前の半熟ゴーダ、パルメジャーノの「なんちゃって」は貴重な体験で印象的。
外はシャリシャリ、中はもちもちで普段は味わえない美味しさで、熟成過程も分ります。
この初夏にはどぶろくチーズを発売予定だと言うから楽しみです。
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南房総市二部には、北海道で酪農とイタリアンの武者修業をした「近藤牧場」。
道の駅ではチーズやアイスも販売されていて、自社イタリアンレストランVENTOでは
出来立てモッツァレラの釜焼きピザを食べることも出来るそうです。
県内のみならず、対岸の神奈川県逗子にも支店が出ている人気牧場です。
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野田市柏寺の「手作りチーズ工房・和久牧場」は、都内のレストランにも集荷しています。
サッパリとして沢山食べられそうな関宿モッツアレラを主軸に、熟成タイプを試作中だそうです。
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船橋市鈴身町の「皆川牧場」は、これからチーズの本格販売を試みる牧場。
乳質千葉県チャンピオンを2年連続で取得した、実力ある酪農家がつくるフレッシュチーズは
まだ準備中とは思えないほど、塩味のバランスが取れた完成度の高いチーズでした。
今話題の塩麹漬けにしても、しっかりミルクの甘さも引きたちます。
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今回は8件の酪農家が作るチーズを味わう事が出来ました。
自分が住む千葉県が酪農発祥地で、これだけ個性豊かなチーズがあるとは知りませんでした。
見学や酪農体験が可能な牧場も多いです。そして千葉県には沢山の酒蔵があります。
チョッと大雑把な言い方をすると、醤油とバターは相性が良いですよね?
アミノ酸豊富なお酒と乳製品、チーズの相性はとても良いです。
牧場と酒蔵をつないで訪問すれば、もっと千葉のことを、
もっと千葉の味覚を楽しむ事が出来そうだと実感した一日なのでした。


いすみ市よじゅえもんのチーズのことへ
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by chibanokoto | 2012-03-24 03:56 | 最近体験した●●●のこと  

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