東金の「ヤマニ酢」鈴木酢店のこと

高速道路をおり市街地を抜け、目指すは千葉の穀倉地、東金高倉。
眼下も地図も食の豊かさを感じさせる素晴らしき田畑の景色。
もはや右も左も来た道も…。
分かっているのは九十九里海岸の方角のみ…。
そう迷子なのであります…。
そして豪雨…。

目的の地は創業明治30年(1897)の鈴木酢店さん。
たまらず電話で鈴木さんに助けを求めたところ、
「アハハッ、みんなそうだから~ ちょっとそこで待っててね」
と、なんとも優しいお言葉の鈴木さん。
そして数百メートル先から傘に長靴姿で、わざわざ迎えに来てくれたのでありました。
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鈴木酢屋さんが醸造するお酢は、屋号のヤマニからとった「ヤマニ酢」
酒粕から造る昔ながらの粕酢、赤酢です。
この九十九里海岸一帯は、昔から「イワシの胡麻漬け」作りが盛んで、
胡麻漬けの原材料に不可欠なお酢として、
郷土に欠かせないお酢として親しまれてきたという訳なのです。

原材料の酒粕は、隣町で清酒「舞桜」を醸す守屋酒造さんの酒粕。
この酒粕が蔵で3年程熟成すると、チョコモカクリームの様になっちゃいます。
その酒粕をお湯で溶かして一晩置いたら、麻袋へ移し木製の圧搾機に並べ搾ります。
その熟成粕汁と種酢、さらにアルコールと水をタンクで合わせれば発酵準備の完了です。
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鈴木さんの解説によれば
「冬なら発酵2日目位で液温は30度位かな?
酢酸発酵が始まり表面に薄く酢酸菌の膜がボチボチと見えてくるよ。
そこから1週間もすれば、液温は38℃位まで上昇して菌膜も成長して表面を覆ってくれるからね、
そこからまぁ~ダイタイ3ヶ月間ゆっくりと発酵させれば粕酢の出来上がりって感じだね~。」
と順を追って優しくおもしろおかしく教えてくれるのでありました。
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一升瓶の6本箱を裏返し鈴木さんと小休止。
見上げれば、醸造酢蔵特有の黒い斑点がついた立派なハリの蔵。
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「醸造のタイミングが合わなくてごめんね、必要な写真は言ってね」と
最後まで優しく穏やかな鈴木さんは、
なんだか久しぶりに会った面白くて優しい親戚のおじさんの様であります。
(一族に一人ふたりいますよね?何だか落ち着く楽しいおじさん)
鈴木さんの造るヤマニ酢は、鈴木さんの人柄同様優しく柔らかいお味。
地元米で守谷酒造さんが日本酒を造り、その酒粕から鈴木さんが粕酢を造り、
郷土料理のイワシの胡麻漬けが作られのであります。

解説に30分、世間話に30分(笑)いつしか雨は小降りに変わっておりました。
「さて、鈴木さん。帰りの道はどっちでしたっけ?」
と最後まで、楽しくも甘えっぱなしの訪問なのでありました…。
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by chibanokoto | 2012-11-29 04:45 | 最近体験した●●●のこと  

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