市川市、行徳の海苔のこと

親子一列チャリンコに乗って市川市は行徳の福田海苔店さんへ。
福田さんの加工場では毎年12月に入ると香り高く口溶けの良い、
三番瀬の初摘み海苔が直売されるからなのであります。
d0233324_1675220.jpg

生産者の福田さんによれば、三番瀬は利根川や江戸川から流れ込む
豊富な栄養分と、干潟の地形を利用した潮の満ち引きが海苔を美味しくすると言います。
折角なので海苔の作り方を教わりました。

海苔は水温が上がる春に枯れ、子孫を残す為胞子を放出します。
胞子は海を漂い貝殻などに付着して糸状の胞子に成長し、
晩夏に貝殻の中に種となる胞子を作り、秋に貝殻から水中に出て
岩場などで発芽し、葉っぱのように成長して海苔になるそうです。

三番瀬ではこの自然界のサイクルを再現し、海苔を栽培しているそうです。
d0233324_18585328.jpg

春先に海苔から取れた胞子を牡蠣の殻に付着させ、
夏までに糸状の胞子に成長させます。
d0233324_18592788.jpg

9月末頃、陸上では牡蠣の殻から放出された胞子を水中に集め、
大きな水車にセットした栽培用の網に種付けをして行きます。
この網に付着した海苔の胞子が苗となるわけであります。
d0233324_190054.jpg

海上では網を張る為の支柱の準備が始まります。
干潟に均等に刺さる竿は網の取り付け用の柵。
網は満潮時には栄養豊富な海中に、干潮時には顔を出し
太陽の光を浴びて海苔が成長する昔ながらの方法です。
d0233324_191364.jpg

10月末頃、網の8割を冷凍保存し残りの2割の網を漁場に張り始めます。
11月末頃になると網から葉っぱのように成長した海苔が収穫されるそうです。
この時最初に取れる海苔が初摘み海苔。刈り取られた海苔からは12月末に掛けて
3~4回の収穫が出きるそうです。
そして年が明けると漁場の網は冷凍保存していた網と張り換えられて、
3月末位まで同じように海苔の収穫が行われるそうです。いわば二毛作。
d0233324_1912351.jpg

成長した海苔を収穫するのは通称「潜水艦」
カッターが取り付けられた船を網の下に潜らせて進み収穫して行きます。
収穫された海苔は直ぐに加工場へ運び込まれ、海水で洗い裁断し、
真水で濃度を調整してからサイズを整え乾燥させて出来あがり。
d0233324_1922618.jpg

昔は天日で干していたそうですが、今は海苔用の乾燥機で干しています。

三番瀬の海苔は昔から変わらぬ人気の江戸前海苔。
川の流れ、潮の流れ、風の流れ、干満差が香味と口溶けを引き出します。
護岸工事や開発で漁場は狭くなり、漁師さんの数も激減しているそうですが、
陸上で胞子を育てたり、網を冷凍保存したり、潜水艦や乾燥機を開発したりと
昔と変わらぬ味わいの海苔を作る為に、工夫と研究を重ね補っているそうです。

生産地の干潟にはアサリやカニ、ハゼを始め沢山の生物が住んでいて、
生物自身の食物連鎖でも、海水を綺麗にしてくれていると言います。
海なし県で育った自分にとって、住んでいる地域に海があり、
地元の海に人気で名物の海苔がある事は、とても嬉しい事なのであります。
[PR]

by chibanokoto | 2012-12-21 18:55 | 最近体験した●●●のこと  

<< 銚子の「銚子の誉」石上酒造のこと 近所の冬野菜のこと >>