佐原の馬場本店酒造のこと

豊富な水と稲田、水運に恵まれた水郷佐原。
かつてはこの近辺に、30を超える造り酒屋があったのだとか。
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街道沿いの造り酒屋は馬場本店酒造。
創業天和年間(1681~1683)であります。

この蔵の歴史は江戸の発展に合わせ、
奈良の馬場村から佐原へ移り住んだ
初代の善兵衛さんが、糀屋を起したことに始まります。
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馬場本店酒造が日本酒造りを始めたのは天保十三年(1842年)
江戸後期のこの頃にみりんの醸造も始めているそうです。

「最上白味醂」

伝統的な古式醸造方で造られるみりんは、
今も昔も馬場本店酒造、佐原の人気商品であります。

蒸したもち米、米麹と焼酎(や醸造用アルコール)を原料に、
2ケ月程掛け糖化、熟成を施し搾ったお酒、
それがみりんであります。

江戸後期、鰻屋や蕎麦屋、割烹料理屋が確立し、
調味料としての需要が高まるまでは、みりんの位置付けは甘いお酒 。
「みりんを飲むとはいよいよか?!」と思われるかも知れませんが、
1年間の邪気を払う正月のお屠蘇も薬草を浸したみりん。
暑気払いの柳蔭は、本味醂を焼酎で割って甘さを抑えた飲み方で、
上方落語の「青葉」にも登場する程親しまれていた飲み方であります。

今の様なみりん(白味醂)が誕生したのは千葉県の流山だったり、
調味料として家庭に普及したのは昭和に入ってからだったりと、
なんだか身近なみりんってのは意外なことだらけなのであります。
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そして「日本酒」
屋号である麹屋善兵衛から文字をとった定番酒
「麹善」始め、幾つかブランドがありますが、最高級酒は「海舟散人」
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明治15年(1882年)馬場本店に1ヶ月程滞在していた勝海舟が
残した掛け軸所縁のお酒であります。

掛け軸に記された勝海舟の号が「海舟散人」だったそうで、
そこから馬場本店酒造最高峰の酒名にあてたそうであります。

古い町には歴史があり物語があるものです。
時間の都合とは言えその掛け軸を見ずに帰ったあたしは、
なんとも勿体ない訪問なのでありました。
次回は必ず見て帰ろう。
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by chibanokoto | 2013-05-31 01:04  

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